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015 地域子育て支援センター取材レポート 前編

 子どもはかわいいけれど、子育てはやっぱりラクじゃない。親や親族、相談できる人が近くにいない移住ファミリーともなれば、なおさらです。
 そんな親子の強い味方が、十和田市内7カ所に設置された「地域子育て支援センター」です。各地区の保育園や認定こども園が、市の委託を受けて運営。保育士をはじめとしたスタッフが、親子でくつろげる機会の提供や、育児相談などを行っています。
 2018年1月のある日。市中心部から車で5分ほどのところにある「小さな森こども園」内の「子育て支援センターどろんこ」を訪ね、その1日を取材しました。
 “先輩移住ママ”代表として取材に参加してくれたのは、服部一子さんです。夫・玄気さん(岐阜県出身)、長男・竜士くんとともに東京都から十和田にUターンし、昨年は移住者座談会にも参加してくれました。
 竜士くんはすでに幼稚園生。移住当初は自宅近くの支援センターに通っていたため、「どろんこ」の体験プログラムは初体験です。さて、どんな感想が飛び出すでしょうか?

  • げんき接骨院
    服部一子

    1981年生まれ、十和田市出身。高校卒業後に上京。携帯電話販売スタッフとして働いていた2010年7月、自身のバースデーパーティで訪れた飲食店で玄気さんと運命的な出会いを果たし、同年11月に結婚。13年10月に長男が誕生。実家まで車で3分。夫が経営する「げんき接骨院」に勤務。
    げんき接骨院
    https://genkisekkotsuin.jimdo.com/

リビングに集う大きな家族

 小さな森こども園は、園長の宮本ひろ子さんが無認可の小さな森保育園として開設。33年前のことです。2002年に認可保育園となり、今では社会福祉法人北心会理事として、認定こども園、子育て支援センターのほかに学童保育、障害児通所支援、障害者就労支援なども運営しています。
 中でも就労支援施設「ぷちぶろう」で作られるパンや焼き菓子は、市内の道の駅の人気商品。保存料などの添加物を一切使わず、丁寧に手作りしたやさしい味には多くのファンがいます。
 「どんな子も、一緒に、健康な心と体づくり」が園のモットー。子どもたちは障害の有無、発達の程度に関わらず個性を認め合い、自然の中で遊びながら生きる力を身に付けていきます。
 保育教諭の金渕まゆみさんが室長を務める子育て支援センターも運営方針は同じ。「子どもたちにできる限りの”本物”を」と、おやつは手作りや自然食品メーカーのものにこだわり、ママ達には食養生(すぐに薬に頼らず、できるだけ食べ物で体調不良を改善する方法)も教えています。テレビは置かず、スマートフォンも原則禁止。広々としたフローリングが気持ちよく、子どもたちが裸足で歩き回るのにぴったり。”支援センター”というと固い印象ですが、入ってみれば”大きめのリビング”、そこに集う親子は大きな家族といった趣です。

見守って育てる

 取材した1月下旬は、1年で最も感染症が流行する時期。入口には緑茶の入ったコップが置かれ、大人も子どもも緑茶うがいをしてから中へ。この日は0~3歳ぐらいの未就園児親子10組がピザ作りに参加しました。

 「あら、髪切った? 似合うね!」 「大きくなったわね~」 出迎える金渕さんが1人1人に声をかけ、笑顔で応えるママたち。和やかな空気が流れます。

 朝9時30分スタートですが、小さな子どもがいては時間通りにいかないのが常。全員が揃うのを待ちながら、子どもたちを場の空気になじませます。いきなりピザ作りを始めることはせず、まずは10時のおやつから。この日のメニューは「ぷちぶろう」のシフォンケーキです。参加者のママたちもお茶やお皿を運んだりと自然に協力し、誰がスタッフなのか分からないほど。

 そして10時30分、いよいよピザ作り開始。「ぷちぶろう」のパン生地を麺棒で伸ばし、チーズやウインナーなどお好みでトッピングしていきます。
 弾力ある生地の触感は、子どもたちも大好き。手を伸ばして触ったり、麺棒をいじったり、大人とは違った方法でピザ作りを堪能した様子です。
 最後の仕上げは、オーブン代わりのストーブで焼き上げ。部屋に香ばしい香りがあふれる中、子どもたちはテーブルの間を動き回ったり、水道で水遊びをしたり、麺棒で床を叩いたり…。
 自宅なら叱られそうないたずらも、ここでは誰も止めません。
 「たとえば蛇口をひねると水が出るのも、水が冷たいのも、子どもにとっては大事な勉強。本当に危ないときは止めますが、それ以外は手を出しません」と金渕さん。
 やりたいことを否定されず、おおらかに見守られている。そんな安心感が子どもの自信や好奇心を育てるのかもしれません。

一子さんの感想は?

 最後に、一子さんに体験を終えての感想を聞きました。

今日はいかがでした?

楽しかったです! ピザも美味しかったし! 自然派な育児ですよね。子どもの安全に配慮していて、いいな。私が利用していたところは、遊具と広いスペースがあって、走り回れる年代の子どもたちが思いっきり遊べる環境だったんですよ。でもここは畳があって”家”みたいな雰囲気で。赤ちゃんがいるお母さんはこういう方がゆったりできるかもなって思います。

センターごとに設備も雰囲気も違うわけですね。じゃあ、いろいろ見て回って、それぞれの雰囲気やプログラムを体験してみるのもいいですよね。

うん。私も、今思えばここにも来ればよかったなって思います。他にも英語の先生を呼んでいるセンターもあったり、市の中心部だけじゃなく、ちょっと離れたところにあるセンターもいいところがあるって聞いたことがあるし、色々ですよね。そういう離れたところでも、外観とか入り口の様子とかがちょっとでもわかっていると行きやすい。主婦って家にいるじゃないですか。外に一歩踏み出すって、けっこう勇気が要りますよね。私、子育て支援センターのチラシをもらっては、いつもバッグに入れてたんですよ。でも電話をかけるとか、子どもを連れて来るっていうその一歩が踏み出せなくて…。でも、今日も来てみたらみんな優しいし、気さくだし、みんながお母さんだから、言ってみれば同じ職業の人たちって考えたら、そんな身構えることないなって。だから子育てこれからだぞっていう人には、ちょっとだけ勇気を出して、ぜひ出会いを楽しんでほしいですね。

参加者の声

ピザ作りに参加した親子の中から、2人のママからも感想コメントをいただきました。市外出身で結婚を機に十和田に住み始めたお二人です。

Aさん(お子さん:1歳7カ月の男の子)
 市内の子育て支援センターを一通り回ってみて、こちらに通うようになりました。離乳食の講座がきっかけだから、息子が3ヶ月の頃からかな。月に2回ぐらいは来ています。先生が話しやすくて、何でも相談できるところがいいですね。スマホの使用が禁止なのも、ゆっくり話せるから好きです。子どもを遊ばせるためでもあるんですけど、私の方が楽しんじゃっているというか、リフレッシュになります。今日のピザ作りも美味しかったし楽しかった!

Bさん(お子さん:1歳4カ月の女の子)
 私は十和田市外の出身なので、相談できる人やママ友ができるのは心強いです。娘の生後1カ月の赤ちゃん訪問で子育て支援センターを教えてもらって、そこから市内のセンターを全部回って、ここに落ち着いた感じです。家はあんまり広くないので、ここに来ると娘がのびのび遊べるのがいい。手作りおもちゃもいっぱいあって参考になります。ヨガとかクッキングのイベントによく来るんですが、ヨガは予約が取れないこともあるくらい人気なんですよ。

市内7ヵ所にある、地域子育て支援センターの情報はこちらからご覧ください。
http://www.city.towada.lg.jp/docs/2015063000049/

十和田市での子育て支援情報発信サイト「とわだDE子育て応援ナビ」が便利です!
http://towada.city-hc.jp/
http://www.city.towada.lg.jp/docs/2017092700044/files/kosodateouennabi.pdf

今回の取材場所

小さな森こども園 地域子育て支援センターどろんこ

「小さな森こども園」は、自然保育、どろんこ保育、遊びの保障を徹底して行っています。
また、現代的課題である心の育ちを重視し、日本の古来からの伝統を重んじ、保育者による昔話などの語り聞かせ、伝承遊びを取り入れています。
住所:〒034-0095 青森県十和田市西二十一番町6−14
TEL:0176-23-4793
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