青森県南内陸部にある十和田市は、県内第4位の人口を擁する都市です。国の特別名勝及び天然記念物に指定された「十和田湖」、「奥入瀬渓流」など東北を代表する観光地としても知られています。古くは、「日本三大開拓地」のひとつとして、荒れ果てた台地から、川をつくり、田畑をつくり、全国でも有数な農畜産物の生産地域へと変貌を遂げました。現在は、十和田市現代美術館をはじめとした「アートの街」として、自然と調和する美しい街並みを築いています。
かつてこの地は、十和田火山大噴火による灰の堆積によって、雨水は地中に染み込み、樹木も生えにくく、作物も育てられない不毛の原野でした。江戸時代末期、南部藩士の新渡戸傳によって、十和田湖・奥入瀬川を水源とした人口河川の工事に着手。約4 年の歳月をかけて三本木原(現十和田市)への上水に成功しました。その後も開拓事業は地域の人々に受け継がれ、水路は太平洋岸まで達することになります。
この川は、まちが実り豊かになるように、稲を生む川「稲生川」と名付けられ、不毛の地から安住の地へ変わってほしいと、先人の願いが込められています。
中心市街地は、「碁盤の目」に整然と区画された美しい街並みが特徴です。その象徴的な場所が、長さ1.1kmにわたるまっすぐな道、官庁街通りです。この道は、日本の道・百選や新・日本百景に選定され、市民はじめたくさんの方に愛されています。平成17 年、この官庁街通り全体を美術館に見立てて、十和田市現代美術館の建設やアートプログラムの活動を進めていこうという「アーツ・トワダ」がスタート。同館を中核に空き地を公園化した「アート広場」を完成させ、数々の美術集団や地域づくり集団が活動し、多くの市民たちがアートを身近に暮らしています。
十和田バラ焼きは、牛バラ肉と大量の玉ねぎを醤油ベースの甘辛いたれで焼きあげた料理です。市内、約80店舗以上で提供され、家庭でも愛されるスタミナ満点のソウルフードです。この魅力を全国にPRしているのがB-1グランプリでもおなじみの「十和田バラ焼ゼミナール」です。市民はじめ、地元の子どもたちを巻き込んでPR活動を展開しています。それは、子どもたちに地元の食文化や歴史について理解を深め、郷土愛や誇りを身につけてもらうことを目指しています。
十和田市の小中学校は、県内での全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)の回答率が高く、水準の高い教育環境があります。市内には、青森県内の公立学校として唯一の併設型中高一貫教育を行っている県立三本木高等学校・附属中学校があります。同校では、6年間の計画的・継続的な教育指導を行うことにより、生徒一人一人の進路希望の実現を目指す教育が行われています。 また、青森県唯一の特認校※である市立切田中学校では、「国際人としての態度の育成」・「郷土愛の育成」・「奉仕的精神の育成」を目的とした様々な体験学習やふれあい活動など特色ある教育が行われています。
※特認校…本来の中学校の通学区域は住所により決められていますが、その学区を越えて、他学区からでも入学できる学校です。市立切田中学校では、面接で合格した人であれば、学区以外からでも入学することができます。
普段暮らしの気分転換には、自然に囲まれて心を休めるのもおススメ。ちょっとした散策から本格的なアウトドアまで満喫できる自然が十和田市には身近にあります。
十和田火山の噴火で形成された、すり鉢状のくぼ地に水がたまった二重式カルデラ湖。新緑や紅葉の季節はもちろん、冬の景色も幻想的で心癒されます。大町桂月、高村光太郎、石川啄木といった文人墨客にも愛されていた神秘の湖です。
中心市街地から十和田湖(子ノ口付近)まで ▶ 車で約50分
十和田湖畔子ノ口(ねのくち)から焼山(やけやま)までの14kmの区間を奥入瀬渓流と呼んでいます。点在する滝や渓流の流れ、そして、その音。1年を通して日々の変化を楽しめる景勝地です。1928年、十和田湖とともに特別名勝および天然記念物に指定。
中心市街地から奥入瀬渓流(焼山)まで ▶ 車で約30分
中心市街地から車で約20分のところに、2010年、東北新幹線七戸十和田駅が開業しました。また、車で約40分のところには三沢空港があります。
桜花散る中の「桜流鏑馬」から、十和田市最大のイベント「十和田市秋まつり」まで。四季を彩る十和田市民の「ハレ」の日を、一緒に過ごしてみませんか。まつりで四季を感じる十和田ならではの暮らしです。
奥入瀬の水で育った自慢の野菜たち。なかでも生産量日本一のにんにくをはじめ、長芋、ねぎ、ごぼうなど、全国的にも有数の生産量を誇る食材の宝庫です。市内の道の駅では、農家さんが直接納めた採れたての山菜や野菜が販売されています。
青森県といえば、雪のイメージが強いかもしれません。実は、十和田市は青森県内の太平洋側に位置しているため、県内では降雪量が少ない地域です。青森市に比べると最深積雪は半分以下。とはいっても冬になったら、数日は雪かきをする必要があります。
移住者の安斉将さん
やはり移住する前は雪が心配でした。動画で雪かきの仕方を調べたりもしました(笑)。でも、いざ来てみたら、年に数回、雪かきをする程度。冬を楽しむイベントもあるので、慣れると冬の暮らしも楽しいですよ。