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TOWADA HIBI COLLECTION WEB MAGAZINE

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移住者交流会 ~ジャズ ジャズ トゥナイト~
ジャズとビールとお喋りで温まった真冬の夜

                                                                                             
                                                                   2023年1月15日、空き店舗を活用したコワーキング&交流スペース「third.」にて移住者交流会が行われました。第1部では、奥入瀬ブルワリーのブルワーになるため移住した安藤和美さんが移住の経緯や現在の仕事について語り、第2部ではサックスの生演奏を堪能しながら、参加者が思い思いに交流を楽しみました。赤ちゃんからシニアまで、暖かな雰囲気の中で笑顔が絶えないイベントとなりました。

  • むらおか しょうり
    村岡将利

    <司会>
    1986年、青森県十和田市生まれ。東京電機大学で情報通信工学を学び、都内のIT関連企業に就職。2016年、夫婦でUターン。同年4月、WEB制作会社(株)ビーコーズを設立。また、働き方や生き方を学べる人材育成の場『村岡塾』を開き、異世代交流の場としての活用も目指している。

  • あんどう かずみ
    安藤和美

    <発表者>
    1980年、北海道旭川市生まれ。10歳から高校卒業まで神奈川県箱根町で暮らす。大学進学を機に上京。卒業後は都内の企業でバックオフィス業務全般を経験。2022年3月、奥入瀬ブルワリー(運営:株式会社 A-WORLD)のブルワーとして十和田市に移住。

  • やぎ あゆみ
    八木あゆみ

    <参加者>
    東京都在住。フリーランスWebディレクター・編集者・ライター。紙媒体の編集者として出版社にて勤務後、Web制作会社を経てフリーランス。大手企業のブランドサイトやコーポレートサイトのWeb制作ディレクション、各種媒体での執筆や編集・撮影など幅広く活動。

  • しみず さとみ
    清水 聡美

    <参加者>
    東京都在住。舞台作品やワークショップの企画制作、海外ツアーコーディネートなどの業務を経て、2017年よりフリーランス。パフォーミングアーツを中心に、演劇祭や各種舞台公演、ワークショップ等の企画制作に携わる。NPO法人芸術公社、医療、福祉、教育、アートなどの異分野をつなぐプラットフォームReframe Labメンバー。

この日の司会は、株式会社ビーコーズ代表の村岡将利さん。同社ではWeb制作のほか、コミュニティカフェ「second.」、オープンなワークスペース兼イベントスペースで今回の会場にもなった「third.」を通じて、人と人とがつながる“場づくり”にも取り組んでいます。
村岡さんのイベント概要説明に続き、安藤さんが自らの経験と活動を語りました。ちなみに移住の経緯については以前、語LOG編集部でお話を伺っていますので、ここではお仕事や移住に関する質疑応答についてレポートします。

移住者ブルワーが働く「奥入瀬ブルワリー」とは。

私がいる奥入瀬ブルワリーは、株式会社A-WORLDという会社で運営していまして、4つの事業を行っています。

まず、奥入瀬ブルワリーアンドレストラン。2022年にオープンしたばっかりなんですけど、ブルワリーとレストランが併設されていて、レストラン入ってすぐ左側に3つの仕込み釜がある、すごくインパクトの強い建物になってます。平屋で天井が高くてすごく開放的です。一部がロフトのように2階に上がれる構造になっていて、遊具やハンモックを置き、ゆったりとくつろいでもらえるスペースになっています。お子様がいるご家族にすごく喜んでいただいています。

次が「あら、りんご。青森ファクトリーショップ」というお店。ブルワリー、レストランときて、これが3つ目の事業です。ブルワリーと同じ道の駅内にあります。白1色に赤が映えて、可愛いんですよね。

「あら、りんご。」はもともと神戸にある弊社の親会社が始めているんですけれども、青森の りんごの専門店ということで、青森りんごを使ったお菓子を作って、こちらで販売しています。工場も併設していて、工場で作ったデザートを出荷している製造部門が4つ目の事業です。

  • 3つの仕込み釜

  • あら、りんご。青森ファクトリーショップ

冬の道の駅を盛り上げる「かまくらドーム」

道の駅って冬の時期になるとどうしても、観光のお客様が減ってしまう。地元の方々もやっぱり足が遠のいてしまうっていうのが課題でもあったんですね。
そこで冬の時期も楽しんでもらおうと、「かまくらドーム」というスケルトンのドームを企画しました。

かまくらドームの中では、しゃぶしゃぶのコースを楽しむことができます。最後の締めはラーメンっていう感じのコースになっています。アフタヌーンタイム(14:30~16:30)には「あら、りんご。」が、リンゴだらけの限定スイーツを出しています。

  • かまくらドーム

  • 青森りんご3個分のアフタヌーンティー

安藤さんの仕事紹介のあとは、奥入瀬ブルワリーの商品紹介やホップ農家体験などビールのありがたみを知る
お話をたくさんしていただきました。

そして次に、質問タイムに移りました。

冬の厳しさ、仕事、人間関係。移住のリアルに迫る質問も

移住する前の不安はありましたか?

唯一 大丈夫かなって思っていたのは雪ですね。3月1日にこちらに来たんですけど、その時でもちょっと雪が残っていて。今年初めて冬を経験していて、水分を含んだ雪かきは大変だって分かっていたものの、やってみてやっぱり大変だなって思ってます。でも今年は雪が少ないらしくて「こんなもんじゃないよ」って聞かされて。1年目でいきなり大雪の年じゃなくて良かったのかなと思うんですけど。

仕事はどうですか? こっちに来て心機一転で新しい仕事を始めて、まだ日が浅いとは思うんですけど、期待通りにいっているのか、それとも難しい部分があるのか。

そうですね。今までずっとバックオフィス、事務の仕事をやってきて、経験をだいぶ積んでいたので、あんまり大きなミスはもうしなくなっていたんですよね。
それがこっち来てゼロからスタートとなると、まぁ、ちっちゃなことでもミスするわけですよ。「私なんでこんなことも出来ないんだろう」みたいな感じになってへこむことは、ちょこちょこあるんですけど…。
でも、それは「新入社員の時こんな感じだったな」って新鮮な気持ちを思い出せることでもあって。やっぱり、いつになっても初めてのことにチャレンジするって、初心に戻れる、新しい気付きがある、視野が広がるっていう意味で、すごく貴重だなって思ってます。

素晴らしいですね! 次はちょっとリアルなところで、移住して知らない場所に来た時の交友関係はどうやって積み上がっていくものですか?

私はちょっと特殊で、もともと十和田出身の友だちがいたので知らない人ばっかりではなかったっていうのが、まず大きかったです。友だちの縁で10年以上前から知っていて、観光客目線ではあるものの、住みやすそうな場所だなっていうイメージがすでにあったんですよね。
あとはお酒が好きなので。同僚から「どっかいい飲み屋さんない?」って聞いて「安藤さんならこことここ絶対合うよ!」とか教えてもらったところに行くと、友だちができたりとか。お店に行くと教えてくれた同僚のことを知ってる人がやっぱりいるので、それでどんどんこう繋がっていった感じがしますね。

最高の出会いですね! 僕もお酒大好きなので、そういう場で出会うと結構ずっと続くような気が。「次また一緒に行きましょう」とか、繋がりやすい気がしてます。

最後に「移住に踏み切った理由は?」なんですけど、これはブルワーになる機会があったからなんですよね?

そうですね。

ブルワーになる機会っていうのは、あまりないものですか。

わりといろんなブルワリーで人材を募集してたりはすると思うんですよね。「募集してます!」って言ってなくっても、気になってトントンって門を叩くと学ばせてもらえる可能性はあるとは思うんですけど…未経験でっていうのはちょっと、ないかもしれないですね。

続いて、村岡さんが新たなチャレンジについて紹介。十和田市とビーコーズが共同で取り組む、リモートワーカー向け移住促進事業「お試しとわだ暮らし」の紹介です。

僕ら十和田に住んでいる人間が、この十和田をもうちょっと発信したいのと、僕らの生活が、いろんな方を巻き込むことで楽しくなるような事業にしたいなと。簡単に言うと、十和田市外・青森県外の方で、移住に興味があるとか、十和田のことを知りたい、暮らしてみたいという方向けに移住体験を提供しています。そのときにこういった交流会だったり、十和田に関連するいろんな事業者さん、活動している方をご紹介して繋げていくこともセットでやっています。

●お試しとわだ暮らし 公式サイト:https://otameshi-towada.be-cause.co.jp/

「お試しとわだ暮らし」を始めた経緯や思いについては、移住7年目を迎えた村岡さんの現在地とともに別記事でご紹介します。
記事はこちら:https://towada-iju.com/collection/webmagazine/037

今日からお試しとわだ暮らし、始めます。
旅を愛するフリーランス女子からひとこと

移住者交流会第2部は、ジャズの生演奏を聴きながらの交流。
参加者の中に、「お試しとわだ暮らし」の参加者がいました。
何度か十和田を訪れているという東京在住のふたり。
くつろいだ雰囲気の中で奥入瀬ビールを飲みながら、
イベントの感想やまちの印象について話してくれました。

では、はじめに。ふたりが「お試しとわだ暮らし」に参加されたきっかけを教えてください。

もともとは村岡さんと東京のweb制作会社で同僚だったんです。で、私たちふたりは毎年…いや、もはや毎月ぐらい一緒に旅行していて。今回は将利さん(村岡さん)がやっているプロジェクトってことで一緒に参加しました。

昨日は、車を借りて八戸市の温泉に泊まっていたんです。十和田には今日のお昼に到着しました。

先ほど小耳に挟んだところによると、八木さんはもともと日本中色々なところでリモートワークしているとか?

そうですね。東京拠点ではあるんですけど、あっちこっち、1~2週間行ったりとかはあります。新潟のお仕事があったりとかもするので。

ふたりとも普段はパソコンで仕事していることが多いので時間が取りやすくて、この時期だったらふたりで1週間ぐらいどっか行けるねってなったりして、出かけます。

なるほど。ではまず、十和田の印象はいかがですか?

まちの印象よりは、十和田の人に対する印象に近いかもしれないんですけど、なんかみんなシャイだけど、良き丁寧なお節介な人が多いって私は結構思っていて(笑)。

ほかには、アート作品がバンバンあちこちに普通にあって、めちゃくちゃ羨ましい。こういう公園で育った子はどうなっちゃうのだろうかって思いますね(笑)。

そうだよね! 超すごい人たちの作品が自然にあるっていうのは、めちゃくちゃすごい。というか今、青森県全体がすごい。私、昨日は八戸に泊まっていたんですけど、美術館ができてましたよね。県立美術館もそうですし、弘前もそうですけど、ごく自然に街にすごい美術館があるので、すごい県だなと思います。

ほかには、さっき第1部で安藤さんもおっしゃってましたけど、ここでしかない自然がめちゃくちゃあると思うんです。奥入瀬渓流もそうですし、私たちついさっきまで谷地温泉にいたんですけど、八甲田もそうですし。その上で美術館しかり、交流センターしかり、建物もすごいですし、そこを拠点にして面白い人が日本中から集まるじゃないですか。そのバランスがすごい面白いまちだなと思いますね。

たしかに今もそうですけど、十和田ではさまざまな方とお会いします。

ふたりともアート界隈の知り合いが多いっていうのもあると思うんですけど、共通の知人が何年か前まで十和田市現代美術館で仕事をしていたんですよ。めちゃくちゃバラエティ豊かな人が集まれる環境だなって思います。

私は美術館の企画展のお仕事で来ていたんですけど、その時にいろんなところに行ったんですね。夜明けの、まだ車が走っていない十和田湖畔で音を録ったりとか。この場所にしかない、聖域のようなものを感じました。
とはいえ仕事で来ていると行かないところも多かったりするので、今回はこういうイベントを教えていただいて、「こういう場所もあるんだ」って新鮮です。あと冬に来たのが初めてなので、そこも楽しみです。

今回は特に“お仕事をしながら暮らす”という形での滞在で、今まで訪れた時とはちょっと違うんですね。

前回も一緒に来たんですけど、私も冬に来るのも1週間近く滞在するのも初めて。いつもだと「あそこ行こう」「次はあっち」って、どんどん移動してっちゃうんですけど、今回はじっくり、冬ならではの過ごし方がしたいなと思ってます。

奥入瀬渓流温泉スキー場にナイターがあるのがめちゃくちゃ羨ましくて。私、スノーボードするんですけど、普段はナイターだけパッと行くとかは絶対できないんですよね。仕事した後にスキー場に遊びに行けるのは、雪国の特権だと思う。

昼にここ「 third. 」で仕事して、夜ふらっとスノボして、とかは、住んでいないとできないことだと思うので、できたらいいな。

4泊5日間の滞在ということで、十和田を存分に楽しんでくださいね!今日はありがとうございました!

今回の取材場所

ビーコーズ ワークスペース「third.」

〒034-0083 青森県十和田市西三番町1-8
WEB:https://be-cause.co.jp/
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